

兵庫県は「ひょうご教育創造プラン」で紹介されているように、幅広い教育活動を行っています。それだけ幅広い教養や専門知識・技能ある人物を求めています。

試験の変更点
試験の変更点がいくつかあります。詳細は試験の主な変更点についてをご確認ください。
- 臨時講師・会計年度任用職員の経験者への加点条件の緩和を
- 経験・資格への加点の拡大(スポーツ・文化部指導者・情報資格)
- 現職教員の筆記免除の条件緩和
- ICT模擬授業の拡大
→中高(数学)・中学(技術)に中学(社会)・高校(地歴)が追加
どれも受験者にとって有利な変更ですが、講師経験者の加点条件が緩和されることは兵庫県で働く方にとってはとてもありがたい変更です。また、全国的にも珍しいICT模擬授業が拡大されました。この流れは今後広がっていくことが考えられます。普段の授業でもタブレット端末を使用した授業を行い、慣れておくことで試験対策になります。
倍率と採用予定数
気になる倍率についてですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
詳細は以下で公開されています。
募集人数等について
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小・特 | 410 | 350名 | 減※ |
中・特 | 292 | 290名 | 同程度※ |
高校 | 222 | 240名 | 増 |
特別支援 | 60 | 60名 | 同程度 |
養護教諭 | 40 | 35名 | 減 |
栄養教諭 | 5 | 5名 | 同程度 |
合計 | 1029 | 980名 | 減 |
去年の合格者数と比べ高校の採用予定数は増えていますが、全体では採用予定数が減りました。特に小学校は減り幅が大きいので、受験さる方は早いうちから対策をしておきたいところです。
気になる倍率についてですが、
・採用予定数の減少
・それを上回る志望者の減少
から倍率は下がると予想しています。試験の倍率は年々下がっています。5.4倍(R2)→4.6倍(R3)。この流れは全国的にも同様です。採用予定数が絞られるとはいえ、それ以上に志望者が減り、倍率は下がるでしょう。
とはいえ、去年の兵庫県の倍率4.6倍は全国の3.4倍と比べて高い倍率です。近畿内では筆記試験の試験日の異なる滋賀県など、併願してチャンスと経験を増やすことを視野に入れるのがオススメです。
2020年の教採に見る2021年の狙い目
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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兵庫県が求める教員の素養
「兵庫県が求める教員の素養」として5つの資質・能力を挙げています。
(兵庫県教員資質向上指標より)
○教育に対する情熱・使命感をもち、児童生徒に愛情をもって接することができる。
○教養、社会性、コミュニケーション力、想像力等の総合的な人間性を備えている。
○高い倫理観と規範意識をもち、自らの人権感覚を高めることができる。
○児童生徒、保護者や地域の方々と公正・公平な立場で対応することができる。
○常に学び続ける姿勢をもち、新たな課題へ挑戦することができる。
これらのことが求められていますが、
どのようにアピールしていくのがいいのでしょうか。
面接試験
第1次選考試験
兵庫県の面接は次のような特徴があります。
- 集団討議
- 約15分
- 受験者5人程度
- 面接委員2人程度
- 配点100点
評定
次の評定項目に基づいて3段階評定で実施します。
(1)健康度
困難を克服する精神力や健康性に関する評価
(2)積極性
仕事に対する意欲や情熱に関する評価
(3)共感性
児童生徒に対する共感性に関する評価
(4)社会性
周囲とのコミュニケーション能力に関する評価
過去の課題
- <R4年実施>
6月 25 日(土)に実施する集団面接においては、下記の3テーマから、当日指定する1テーマについて、集団討議を行います。
1 教員としての資質向上
2 情報モラル教育の必要性
3 児童生徒の可能性を引き出す指導
<過去の質問内容> - 教科担任制と学級担任制のどちらがいいか
- 校内で行う教科での校内研修と校外で行う社会体験などの校外研修はどちらが有効であると考えるか?どちらかの立場に立って話し合いグループとしての意見をまとめなさい
- 先輩の教師から生徒指導や学級経営についてアドバイスをもらいました。しかし、自分のやりたいことと違っています。このとき、「相手に自分のしたいことを伝え、分かってもらう」のが良いか、「自分の意見は押しとどめ、相手の指導法を実践する」のがよいか討論しなさい
- 道徳教育はなぜ必要か。また、道徳心を育むためにどのような実践があるか
- いじめのない学校にするにはどうすればよいか
- 保護者との関わり方について
- 心の教育の推進について
第2次選考試験
- 個人面接
- 180点
- 約25分(養護教諭は約32分)
- 面接委員3人
→個人面接・18分・面接官3人 - 場面指導にかかる試問を含む
過去の質問内容
- <場面指導にかかる試問>
- いつもこのように授業をするのか
- 工夫している点は
- このような授業で子どもは理解できていると思うか
- この後にどのように展開する予定か
- ポイントは何か
- そこにポイントを絞った理由は
- 一番伝えたかったことは何か
<本人の考えや教職への理解等> - 志望動機
- 「確かな学力」とはどういったものだと考えているか
- 確かな学力を子どもにつけるためどの様な活動をするか
- 自分が教えていて子どもは何か変わったか?
- 生徒指導の必要な子どもにどの様な対応をするか
- 授業中に立ち歩いたりする子どもにはどの様に対応するか
- 子どもとの良い関係を保つためにどの様な取り組みをするか
- 保護者の方と良い関係を築くために、担任になったらどの様な取り組みをするか
- クラス担任をしたらどの様なクラスを作りたいか
- あなたを建物に例えると何か
- 指導要領の中で、一番注目しているところ、意識しているところは何か
- その力を身につけさせるために授業に取り入れていることは何か
- 子どもたちにどんな授業だと思われていると思うか
- どんな板書を作ろうと考えながら授業をしているか
- 万引きした子にどう指導するか
- 教師は多岐にわたる業務、その中で管理職は早く帰れと言うと思いますが、やっていけるか
- 自分の悪いと思う場面
- 今の子どもにつけさせたい力
- どのようにつけるか
- 体罰と懲戒の違いはなにか、具体例を示して説明せよ
- 挫折経験はあるか、それをどう乗り越えたか
- 学校で子どもが怪我をしてしまった時の対応
- 担任を持ちたい学年はあるか、その理由
- 教員として、一番大切にしたいことは何か
- 兵庫県の教育で知っていること
- 兵庫県の教育基本理念について
評価
次の評定項目に基づいて5段階評定で実施します。
(1)態度・表現力
表情や話し方に関する評価
(2)意欲・積極性
仕事に対する意欲や情熱に関する評価
(3)判断力
状況に応じた判断力に関する評価
(4)専門性
教科科目の専門的指導力に関する評価
(5)将来性
教員としての資質や人間性に関する評価
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業・場面指導
模擬授業
・120点
・約15分(養護教諭は約32分)
・面接委員3人
・必ず板書を使用すること
場面指導
・個人面接に含む
過去の場面指導課題
- 3年生を担任することになったら、どのようなあいさつをするか
- 宿題を忘れた子を叱責するし、その子にだけ宿題を多く出す先生がいる。学級委員のAさんが「あの先生の状況を改善してほしい。」と言ってきた。どう対応するか
- ケンカを止めた際に子どもが「やってみろや~!」と挑発的に言ってきたらどう対応するか
- 学年で初めての懇談会で何を話すか
評定
次の評定項目に基づいて5段階評定で実施します。
(1)教材内容に関する知識・理解
教科等の専門知識に関する評価
(2)構成力
授業の構成に関する評価
(3)声・表情・所作
教員としての所作等に関する評価

兵庫県は集団面接・個人面接・模擬授業・場面指導があり、筆記でも英語の運用力や情報機器の利用についての問題があります。他県と比べても試験内容が多岐にわたっています。早期から練習や過去問演習などの対策をしていく必要があります。また、兵庫の教育については、下の資料が参考になります。
第3期「ひょうご教育創造プラン」(概要)