

「たくましいからだ 豊かな心 すぐれた知性」
宮崎県の県教育基本方針です。これに関連してか、宮崎県では小学校の科目採用枠が充実しており、全国でも珍しい小学校で体育の受験枠が設けられています。スポーツや芸術の特別選考もあり、「文化・スポーツに親しむ社会づくりの推進」に取り組む姿勢が伺えます。

試験の変更点
変更点はいくつかあります。
詳細はよくある質問をご確認ください。
- 第一次選考試験の会場について
・県外会場は、東京会場、大阪会場、福岡会場 - 加点の追加
・中学校・高等学校教諭等英語を受験する者で、英検1級などのCEFR C1相当以上の英語力を有する者
・情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験・基本情報技術者試験合格者又は同等以上の資格取得者
・高校(「情報」除く)受験者で、「情報」の免許状を所有する者
・特支受験者で、視覚障がい又は聴覚障がいに関する教育の領域の免許状を所有する者
・加点する点数を変更 - 第二次選考試験について
・ICTを活用した試験を実施
・模擬授業の「実施教科、領域、単元名等」を、第二次選考試験受験者へ事前に通知
・集団討論を廃止し、新たにグループワークによる試験を実施 - 特別選考試験について
・障がいのある者を対象とした特別選考試験で「精神障害者保健福祉手帳」、「療育手帳」の所有者も対象に追加
・大学卒業予定者を対象とした特別選考試験で「高等学校教諭等工業」も対象に追加
受験者に有利な変更が多く、これから受験される方にはチャンスです。
宮崎県では、このような教員を求めています!
宮崎県は求める教員に4つの資質・能力を挙げています。(実施要項より)
【愛情と情熱・使命感】
◎子どもに対する愛情と教育に対する情熱・使命感をもち、子どもとの信頼関係を築くことができる。
【高い専門性】
◎ 分かりやすい授業を行い、子どもに確かな学力を育成するなど高い専門性を身に付けている。
【幅広い社会性、倫理観、人間性】
◎ 社会人としての幅広い教養と良識や倫理観、心の豊かさを身に付けている。
【学び続ける姿勢】
◎ 絶えず学び続け、自らの資質・能力を高める。
これらのことが求められています。
倍率と採用予定数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校 | 225名 | 155名程度 | 減 |
中学校 | 81名 | 93名程度 | 増 |
高校 | 53名 | 53名程度 | 同程度 |
特別支援 | 37名 | 43名程度 | 増 |
養護教諭 | 12名 | 20名程度 | 増 |
栄養教諭 | 1名 | 1名程度 | 同程度 |
合計 | 409名 | 365名程度 | 減 |
小学校で70名程度の大幅減となります。中学・高校・養護教諭で採用数が増えます。
全体としては40名近い大幅な採用減となります。
気になる倍率ですが、採用数が大幅に絞られる小学校は高倍率化、小学校以外の校種は低倍率化すると予想されます。
低倍率化する理由は、全国的に教員の人気が低迷しているからです。
宮崎県の受験者数と受験倍率は次の様に推移しています。
1417人・4.0倍(R2年)→1369人・3.4倍(R3年)→ 1185人・3.2倍(R4年)
年々、受験者が減っていることがわかります。
<追記>
応募状況が発表されました。
宮崎県公立学校教員採用選考試験応募状況等について
全体的に受験者は減っており、応募倍率の段階で3.2倍です。採用数の絞られる小学校は倍率が上がりますが、それでも1.9倍と2倍を切る低倍率です。小学校以外の校種もすべて受験倍率が下がっています。試験当日には受験を辞退する人がいるので、実際の受験倍率はここからさらに下がります。
とはいえ、油断は禁物です。しっかりと対策を取った上で試験に臨むことが大事です。もし不安な方は他都道府県の併願を視野に入れるのもいいでしょう。経験とチャンス、選択肢を増やすことができます。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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面接試験
宮崎県では第二次選考試験で個人面接が行われます。
個人面接
- 20分
- 面接官4人
- 30点
配点・評価する観点
- 教員としての適性、専門的知識・技能、授業構成力、指導方法・手立ての工夫等の実践的指導力を評価します。
- 教職教養を含め、教育者としての使命感や意欲、幅広い社会性や人間性等を評価します。
過去の質問内容
- 教員の志望理由
- 宮崎県の志望理由
- 併願はしているか
- 両方受かったらどうするか
- 他方だけ受かったらどうするか
- 宮崎以外は受けないのか
- 勤務地はどこでも大丈夫か
- どのような学級経営を心がけているか
- 担任は楽しいか
- 担任をする中で困ったことは
→どう乗り越えたか - 保護者対応で心がけていることは
- 保護者はどのような願いをもっているか
- 不登校児への対応はどうするか
- 本人の願書の活動歴について
- 多忙感について
- 働き方改革で取り組めることは
- コンプライアンスについて
- 教員の不祥事についてどう考えるか
- 不祥事を起こさないためにどうするか
- ストレス解消法は
- 同僚の先生とどのようにコミュニケーションをとるか
- 学年の先生達とのコミュニケーションで心がけていることは
- 言うことを聞かない子へのどう対応するか
- 勉強したくないという子にどう接するか
- あなたの生きがいは
- リフレッシュの方法は
- 教職の魅力は何か
- 教員に必要な資質は
→どう磨いていくか - 防災教育についての考えはあるか
- 長所と短所
- 長所を教育にどう活かすか
- 短所をどう改善するか
- いじめについてどう考えているか
- いじめの未然防止にどんな取り組みをするか
- もしいじめが起きたらどうするか
- 英語教育で取り組みたいことは
- 学力の定着のためにどのようなことをするか
- 授業で心がけていることは
- 授業中に子どもの学力差にどう対応しているか
- 宿題は必要だと思うか
- 小学校の統廃合についてどう考えるか
- 体力向上のためにできる取り組みは
- 保護者から信頼される教師とはどのような教師か
- 地域からの信頼を得るにはどうするか
- 読書活動の推進のためにどのようなことをするか
- 気になる教育問題は
- 人権教育と道徳教育の違いは
- 特別支援で心がけたいこと
- 残り1分で自己紹介
(参考)集団討論
2020年実施の試験からはおこなわれていませんが、参考として掲載します。
配点・評価する観点
- 30点
- テーマに基づく集団討論を通して、コミュニケーション能力や社会性、教養の豊かさや人間性を評価します。
過去の課題
- 「主体的・対話的で深い学び」の大切さ
- 子どもの良い面を伸ばし、やる気を出させる
- 学級に学習用具や宿題忘れを繰り返す子に基本的な学習習慣を身に付けさせるには
- 家庭学習の仕方を身に付けさせるには
- 自分の個性を活かしながら集団生活を送らせるには
- すべての児童生徒に確実に学力を身に付けさせるには
- 進路選択ができる力を身に付けさせるには
- 児童生徒に目標を持たせ、努力するする態度を身に付けさせるための指導は
- 他者と関わる力を身に付けさせるには
- 命の大切さをどのように指導するか。具体例を挙げながら討論せよ
- 望ましい生活習慣や行動について
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業・場面指導
配点・評価する観点
- 30点
- 教員としての適性、専門的知識・技能、授業構成力、指導方法・手立ての工夫等の実践的指導力を評価します。
- 教職教養を含め、教育者としての使命感や意欲、幅広い社会性や人間性等を評価します。
過去の課題
- 小2 男子Aが赤と青のチョークの粉を集めて、みんなで大切に育てているメダカの水槽に入れている。あなたならどうするか
- 小4 放課後、片付けが苦手なAのロッカーに体操服が散らかっている。どう指導するか
- 小6 4人グループで活動しているときに、1人が消極的で活動できていないA。どのような指導をするか
- 小5 友達に嫌なことをされても「やめて」と言えずに苦しんでいるAにどう接するか
- 小6 学級に勉強や運動が苦手だが、授業や委員会活動には積極的に取り組むA。算数のテストを返した日、終日悲しそうな顔をしていた。どう接するか
- 小6 教科書や学習道具を忘れたため、十分な学習活動ができなかったA。Aに放課後に指導することにした。どのように指導するか
- 中1 入学当初は学級の中心的存在だったAだが、最近は自分の意考えが周囲に受け入れらず元気がない。どう接するか
- 中(高)1 家庭学習の仕方がわからず悩んでいる生徒Aがいる。どう指導するか
- 中(高)2 授業内容を理解しようと頑張っているが、全然理解できないA。どのように指導するか
- 高3 進学先を大学か専門学校か悩んでいるA。どう接するか

教宮崎県は教育施策や教育の現状と課題を振興基本計画でわかりやすくまとめています。宮崎県の教育への理解を深められるので、これらの資料を見ることは試験対策や教師としてのレベルアップにも繋がります。
宮崎県教育振興基本計画(令和元年策定)概要版
宮崎県教育基本方針
宮崎県教員育成指標<教員等>