

高い学力を誇る大分県は、時代の変化への対応を進めています。人口減少やグローバル化やIoTなどに向き合い、地方創生を目指しています。大分県の教育の在り方を知ることで、試験対策にもつながってきます。

試験の変更点
変更点はいくつかあります。
詳細は大分県公立学校教員採用選考試験実施要項をご確認ください。
- 第1次試験の免除制度の拡充
前年度実施試験の第1次試験を受験し、合格した者を対象に加えます。 - 第2次試験の「口頭試問」の廃止と「面接Ⅰ」の導入
第2次試験の「模擬授業(養護教諭は場面指導)」の後に実施していた「口頭試問」に換えて、教科指導等に対する意欲や考え方などを含め評価する面接試験に変更し、名称を「面接Ⅰ」とします。 - 「特別選考Ⅳ(他県教諭特別選考)」の受験資格の緩和
他県での教諭としての勤務期間3年目の方も受験ができるように緩和します。
求められる教員像
大分県で求める人物像は4つあります。
(募集案内パンフレットより)
専門的知識をもち、実践的指導力のある人
・教科等に関する専門的知識
学習指導や生徒指導等に関する実践的指導力等を兼ね備えた人
使命感にあふれ、高い倫理観と豊かな人間性をもつ人
・強い責任感や思いやりの心
・教育公務員としてのより高度な規範意識
・円滑に教育活動を進めることができる対人関係能力等を兼ね備えた
柔軟性と創造力をそなえ、未知の課題に立ち向かう人
・広い視野、柔軟な発想、企画力
・困難な時にこそ常に想像力を発揮し、新しい課題に果敢に取り組む姿勢等を兼ね備えた人
学校組織の一員として考え行動する人
・学校組織の一員として考え行動する姿勢
・校長のリーダーシップのもと、教育課題の解決に組織として取り組む姿勢等を兼ね備えた人
これらのことが求められています。
倍率と採用予定数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
※一般選考の人数です。
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校 | 193人 | 200人 | 同程度 |
小中連携 | 10人 | 20人 | 増 |
中学校 | 106人 | 130人 | 増 |
高校 | 40人 | 49人 | 増 |
特別支援 | 50人 | 52人 | 同程度 |
養護教諭 | 17人 | 17人 | 同程度 |
栄養教諭 | 5人 | 5人 | 同程度 |
合計 | 421人 | 473人 | 増 |
小中連携・中学校・高校での採用数が増えます。全体としてみても50人近くの採用増となります。
気になる倍率ですが、全国的に教員の人気が低迷していることもあり、受験者数は減ることが予想されます。そのため、倍率は低倍率化することが考えられます。
出願者数と出願倍率は次のように推移しています。
一般選考
R2年は1257人が受験し、倍率は3.0倍(前年3.1倍)でした。
特別選考を含めると倍率は2.9倍(前年3.0倍)です。
<追記>
出願状況が発表されました。
出願状況
採用予定数は52人増なのに対し、出願者が75人も減っています。出願倍率は2.5倍です。去年の受験倍率3.0倍をすでに下回っています。当日に受験を辞退する人がいることを考えると、受験倍率はさらに下がります。
とはいえ、油断は禁物です。しっかりと対策を取った上で試験に臨むことが大事です。もし不安な方は他都道府県の併願を視野に入れるのもいいでしょう。経験とチャンス、選択肢を増やすことができます。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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面接試験
大分県では
第2次試験で模擬授業(場面指導)について問われる面接Ⅰが
第3次試験で面接Ⅱ(個人面接)が行われます。
(参考)集団面接
令和3年度以降は実施されませんが、参考のために掲載しています。
- 9人グループ
- 40分
- 面接官3人
- 350点
過去の内容
- 「ライフワークバランスを実現する対策」について、教員としてどう考えるか
- 「情報モラル教育の充実を図る対策」について、教員としてどう考えるか
- 「留学を促進する対策」について、教員としてどう考えるか
- 「不登校児童生徒を支援する対策」について、教員としてどう考えるか
- 「チームとしての学校の在り方」について、教員としてどう考えるか
- 「学校安全を確保する対策」について、教員としてどう考えるか
- 「適正職業選択の支援、職業能力の開発・向上に関する資質」について、教員としてどう考えるか
- 「教育の現場での合理的配慮の必要性」について、教員としてどう考えるか
- 「総運動時間の二極化の要因とその対策」について、教員としてどう考えるか
- 「『主体的な学び』の実現に向けて必要な資質及びその育成」について、教員としてどう考えるか
個人面接
- 25分
- 面接官4人
- 350点
過去の質問内容
- 教員の志望理由は
- 大分県の志望理由は
- 自分の役割(部活動、大学時代、職場など)
- 地域と連携して何か教育活動をしているか
→それをする上で何が大切か - 一番ホッとできる時間は何か
- 教員の不祥事に対するあなたの考えは
- 教員の不祥事の防止のため、意識していることは
- 主体的な学びとはなんだと考えるか。また、それを踏まえて、あなたの教室でどんなことをしたか
- あなたのクラスに気になる児童は
→あなたはどのような支援を心がけているか
→それでもなかなか改善されない場合は、どうするか - 地域との連携についてどう思うか
- 子どもがどんな様子だと、主体的対話的で深い学びができたと考えるか
- 担任で何か苦労したことは
- あなたの短所は
→どのように改善するか - ゆくゆくは学校経営する立場になっていくが、校長や教頭と接する時どんなことを心がけていくか
- ピアノはどの程度できるか
- 勤務地の希望はあるか
- 部活での挫折をどのように乗り越えたか
- あなたの人生の教訓を、子どもたちにどのように伝えていくか
- あなたはどんな時に探究的な学びをしたいか
- 学校で国際交流の機会があったら、どう活用するか
- 主体性は、なぜ大事か
- コンプライアンスに関して、気になる教員がいたらどうするか
- いじめにどう対応するか
- いじめの未然防止のためにどんなことができるか
- 同僚と考えが異なる場合はどうするか
- ストレス解消法は
- 理想の教師像は
- 教員に必要な資質を一つ
→どう身に付けるか - 学級経営で大事にしていることは
- 授業中、子どもの学力の差にどう対応しているか
- 授業で心がけていることは
- 理想の学級は
- 情報化の中で子どもに付けたい力は
- ICT機器を使う時に心がけることは
- 英語教育でどんなことを大事にしていきたいか
- 保護者から信頼されるにはどんな事をするか
- インクルーシブ教育とは
- 学力を伸ばすためにできることは
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業(場面指導)及び面接Ⅰ
模擬授業(場面指導)及び面接Ⅰは第2次試験で行われます。
- 模擬授業180点
- 面接Ⅰ120点
- 模擬授業については、養護教諭志望者は場面指導とする。口頭試問は、模擬授業(場面指導)や教科・科目等の専門に関する内容を問う。

冒頭でも述べた通り、大分県は時代の変化への対応を進めています。自ら未来を切り拓く力と意欲は教員にも求められています。いくつかの資料のリンクを用意しています。試験対策・教員としての教養作りの参考になります。
大分県公立学校教員育成指標
大分県教育大綱
大分県長期教育計画(「教育県大分」創造プラン2016)改訂版【概要版】