

北海道・札幌市では、面接で法規について聞かれることが多いのが特徴です。
教育基本法や学校教育法など、過去の出題例を参考に試験対策をしていくのが良いでしょう。


試験の変更点
北海道
変更点はいくつかあります。詳細は令和5年度(2023年度)北海道・札幌市公立学校教員採用候補者選考検査の主な変更点 【北海道採用希望者向け】をご確認ください。
1. 試験の日程
→第1次検査が6/19(日)と一週間前倒しになる
→第2次検査が8/5(金)~8/7(日)とオリンピック前の日程に戻る
→合格発表が去年よりも早まる
2. 検査会場
→第1次検査の関西会場(大阪府)が新設
→第2次検査の会場を道内5会場から選択可能に
3. 特別選考
→退職者を対象とした特別選考の新設
→期限付教員特別選考は第2次検査に統合され、第3字選考は廃止
4. 小学校と特支(小学部)で実技の廃止
→実技試験(英語・音楽・体育)が廃止
5. 小学校と特支(小学部)で加点の追加
→小学校・特支(小学部)受験者で保健体育(中・高)免許取得者は第1次検査で加点
札幌市
変更点はいくつかあります。詳細は【札幌市採用希望者】令和5年度(令和4年度実施)検査における主な変更点をご確認ください。
- 栄養教諭区分の新設
- 小学校・幼稚園、特支(小学部)で実技の廃止
→実技試験(英語・体育)が廃止 - 現職教員特別選考の資格要件拡大
→正規教員の勤務3年以上であれば、受検区分の経験に限らず特別選考を受験できる - 特支での第1次検査配点の変更
→第1次検査の専門検査(Ⅰ)の配点が100 点から 50 点へ変更 - 加点制度の追加
第1次検査の総合点に 10 点が加点
・複数免許保有
→小学校・幼稚園及び特支(小学部)区分で中学校教諭免許状を有する者
→中学校・高校及び特支(中学部・高等部)区分で小学校教諭免許状を有する者
→小学校・幼稚園区分で中学又は高学の保健体育の免許状を有する者
・バカロレア
→中学校・高等学校教諭区分で、国際バカロレアを修了した者 - スポーツ・芸術特別選考の廃止及びスポーツ・芸術特別加点の新設
→スポーツ・芸術特別選考は廃止
→同様の技能・実績で第1次検査の総合点に10 点又は5点を加点
スポーツ・芸術特別加点は、他の加点制度と併せられる - 登録辞退者特別選考の廃止
→過去3年以内に登録辞退した人向けの特別選考を廃止 - 第1次検査における専門検査(Ⅰ)の免除措置廃止
→中・高・特支(中・高)の英語で、英語資格を保有者への第1次検査の専門検査(Ⅰ)の免除措置を廃止
倍率と採用予定数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
北海道
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校 | 428 | 350名程度 | 減 |
中学校 | 293 | 190名程度 | 減 |
高校 | 146 | 160名程度 | 微増 |
特別支援 | 99 | 121名程度 | 増 |
養護教諭 | 124 | 70名程度 | 減 |
栄養教諭 | 11 | 15名 | 増 |
合計 | 1101 | 906+α | 減 |
採用予定数は去年の合格者数より減ります。
ですが、去年は841名程度の採用予定者に対し1101名の登録者がいます。去年の実績を考えると、今年も1000名以上が登録されることが考えられます。
教員の人気低迷による受験者数減により、北海道は受験者確保に躍起になっています。去年が2.5倍と全国平均の3.4倍を大きく下回っていること、受験会場の増設や加点の拡大、退職者を対象にした特別選考の追加がその証拠となって表れています。
これにより受験する人の種類は増えるでしょうが、教員人気の低迷ぶりを考えると総受験者数は減るでしょう。
札幌市
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
幼・小 | 141 | 130名程度 | 微減 |
中学校 | 100 | 100名程度 | 同程度 |
高校 | ー | 若干名 | 増 |
特別支援 | 34 | 50名程度 | 増 |
養護教諭 | 6 | 7名程度 | 同程度 |
栄養教諭 | ー | 3名程度 | 増 |
合計 | 281 | 290名程度 | 増 |
札幌市は去年の採用人数と同程度の採用を予定しています。ですが、安心はできまません。
去年札幌市は315名程度の採用を発表していたのに対して281名の採用となっています。この30名以上の誤差は小学校の大量採用と、それを上回る中学と特支の採用減からきています。
それぞれ採用予定数と登録者数は次の通りです。
採用予定数→登録者数
小学校 105名程度 → 141名
中学校 140名程度 → 100名
特支 55名程度 → 34名
校種によって予定数とのばらつきが大きいです。290名程度の採用予定ですが、去年の4.2倍よりも厳しくなることを想定しておいた方がいいでしょう。
考えられる倍率は
教員の人気が低迷していることから、全国的に教採の倍率は減少傾向です。北海道も札幌市も受験者数は減ることが予想されます。北海道の倍率は下がるり2.2倍程度、札幌市は登録数が絞られて昨年と若干下がる4.2倍程度と予想しています。
ちなみに、北海道の倍率は全国的に見てもかなり低いです。中でも小学校の1.4倍は全国の小学校で屈指の低倍率です。採用予定数は減りますが、倍率が大きく変わらないとすれば非常に門戸の広い試験となっています。
とはいえ、不安に感じる方もいるとは思います。チャンスを増やしておきたい方は併願がおススメです。いろんな自治体のデータを知っておくと、行動の選択肢を増やすことができます。
2020年の教採に見る2021年の狙い目
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
など。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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北海道における『求める教員像』
北海道が求める教員像は3つあります。
(「北海道における『求める教員像』」より)
【教職を担うに当たり必要となる素養に関連する観点】
教育者として、強い使命感・倫理観、子どもへの深い教育的愛情を、常に持ち続ける教員
【教育又は保育の専門性に関連する観点】
教育の専門家として、実践的指導力や専門性の向上に、主体的に取り組む教員
【連携及び協働に関連する観点】
学校づくりを担う一員として、地域等とも連帯・協働しながら、課題解決に取り組む教員
札幌市が求める『求める教員像』
札幌市が求める教員像は3つあります。
(札幌市が求める教員像・選考判定基準より)
【教職を担うに当たり必要となる素養に関連する事項】
◆教育者として、強い使命感・倫理観と、子どもへの深い教育的愛情を、常にもち続けている教員
【教育の専門性に関連する事項】
◆教育の専門家として、実践的指導力や専門性の向上に、主体的に取り組む教員
【連携及び協働に関連する事項】
◆園・学校づくりを担う一員として、地域等とも連携・協働しながら、課題解決に取り組む教員
これらのことが求められています。
面接検査
北海道・札幌市は第2次検査で2回行われます。
検査時間はほぼ同じですが、質問内容が異なります。
内容や進め方は
面接の内容
で公表されています。
※あわせて、実技試験についても公表されています。
第2次検査に係る面接検査及び実技検査について
個別面接
・20分程度(面接18分+補足質問2分)
・面接官3人
・教員としての使命感や倫理観等をみる。
(1)自己推薦書に関する質問
(2)一般的事項に関する質問・健康状態など
評価
判定基準については
北海道公立学校教員採用候補者選考検査判定基準
で示されています。
その他評価については過去の資料となりますが、参考になるのでいかに掲載します。
・面接の検査評価(A~E7段階)
・登録判定結果
各検査評価に基づき、総合的に判定した結果、採用予定数の範囲内で、総合評価の高い者を登録者とする。
【A・B】登録者(総合評価が高い)
【C】総合評価が、登録者に比してやや低い
【D】総合評価が、登録者に比して低い
【E】総合評価が、登録者に比してかなり低い
北海道公立学校教員採用候補者選考検査判定基準より
(参考に)
H30年度の試験での評価基準です。項目ごとに詳細にまとめられています。A・C・Eの基準があり、それらの中間ならB・Dとなります。
(1) 態度・誠実さ・倫理性
A 明朗で礼儀正しく落ち着きがあり、服装・身だしなみが整っている。応答の仕方等が、誠実で一貫しており、また、強い責任感が感じられ、教師として信頼できる。
C 礼儀正しく、服装・身だしなみが整っている。また、誠実な態度で応答に努めている。
E 動作・礼儀・服装・身だしなみに不適切なところが見られる。また、応答の仕方等に誠実さが見られない。
(2) 表現力
A 自分の考えを明らかにし、簡潔で論理的な説明をしている。また、用いる語彙も豊かであり、相手が理解・納得できるように分かりやすく説明をしている。
C 自分の考えをよく整理し、内容の組み立て等を工夫しながら、分かりやすい説明に努めている。
E 自分の考えが不明確であり、論理性に欠けた説明である。また、語彙が少なく言葉遣いも不適切である。
(3) 判断力
A 質問の主旨を正しく理解し、多角的・総合的な視点から高い専門性や先見性をもって的確に判断をしている。
C 質問の主旨を理解し、的確に判断をしている。
E 質問の主旨を正しく捉えておらず、判断が不適切である。
(4) 意欲・情熱
A 教員志望の理由が明確で説得力があり、児童生徒に対する深い愛情がある。教職に対する意欲・情熱にあふれ、強い使命感をもっている。
C 教員志望の理由が明確であり、教職に対する意欲・情熱、使命感がある。
E 教員志望の理由が不明確で、教職に対する意欲が見られず、情熱も感じられない。
H30年度第2次検査 教員採用試験評価基準 より
個別面接Ⅱ
・20分程度(面接18分+補足質問2分)
・面接官2人
・教員としての使命感や倫理観等をみる。
(1)自己推薦書に関する質問
(2)基本質問・教育実習、期限付教員等として勤務など
過去の質問内容
- なぜ北海道(札幌市)を志望したか
- 北海道(札幌市)以外受験してるか
- 北海道(札幌市)に採用されたら来れるか
- 道内の勤務地で希望はあるか
- 赴任地の希望や健康状態について
- 手話、点字ができるか
- 何か資格は持っているか
- 得意科目は
→それを教育にどう活かすか - 英語教育は今後どうなるか
- 保護者からクレームが来たらどう対応するか
- 理想の教師像は
- 大学で重点的に学んだこと
- 普段の授業で意識していることは
- これからの教育で求められることは
- いじめの原因は
- いじめの未然防止には何が必要か
- いじめが起きたらどう対応するか
- 自分の長所・短所は
→長所をどう活かしていくか
→短所をどう克服するか - 生徒指導で大事なことは
- 自己推薦書から(志望動機・生徒指導等)
- 生徒指導や保護者との連携の方法について
- 保護者との連携を具体的にどう行うか
- ICT機器の活用はあるか
- ICT機器を使う時に気をつけること
- 「主体的で対話的で深い学び」とは
- そのような実践や経験はあるか
- 「チーム学校」について
- 「カリキュラム・マネジメント」とは
- 地方公務員法32条を説明しなさい
- 学校教育法、地方公務員法、公務員特例法から質問
- 地方公務員法第32条の内容を説明しなさい(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
- 学校教育法第11条とは(体罰の禁止)
- 公務員特例法第21条とは(研修)
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業・場面指導・教科指導法検査(記述式)
評価(模擬授業)
観点1 授業のねらいに応じた適切な指導
観点2 児童生徒の興味・関心を引き出す工夫
A 課題を十分に理解し、ねらいに応じた指導をしている。興味・関心を高め、理解を深めるため授業の流れや板書等の工夫をしている。
C 課題を理解し、ねらいに応じた指導に努めている。興味・関心を高め、理解を深めようと授業の流れや板書等の工夫に努めている。
E 課題に対する理解が不十分で、ねらいに応じた指導となっていない。興味・関心を高め、理解を深めようとする指導となっていない。
H30年度第2次検査 教員採用試験評価基準 より
参考になる公的資料
受験先の教育施策や求める教員の教員像については、しっかりと理解しておきたいところです。以下に参考になるリンクを貼っておきます。
北海道
北海道における教員育成指標
北海道教職員研修計画【概要版】
令和2年度 北海道の教育施策
札幌市
パンフレット「先生になりたい。でも不安もありました。」
札幌市教員育成指標
令和3年度さっぽろっ子「学ぶ力」の育成プラン
令和3年度札幌市学校教育の重点

北海道・札幌市は全国的に見ても倍率が低い自治体です。しっかりと対策をして臨めば、かなり展望は明るいでしょう。