

石川県は、1次試験・2次試験の区別がなく、いきなり最終選考という非常に珍しい県です。どんな試験内容なのか見ていきましょう。

試験の変更点
変更点はいくつかあります。
詳細は実施案内をご確認ください。
- 特別選考(区分Ⅴ)に小学校受験者の選考を追加
石川県教委が指定する大学(金沢大学・金沢学院大学・金沢星稜大学・北陸学院大学)から推薦を受けた小学校教諭等受験者を対象とした選考を実施 - 教科「水産」を平成6年度以来,29年ぶりに実施
石川県が求める教師像は
石川県は"未来を拓く心豊かな人づくり"を基本理念とし、求める教師像として5つの項目を掲げています。
(石川で教員しよーよ(教員採用説明)より)
児童生徒に対する教育的愛情を有する人
責任感と使命感を有する人
豊かな教養と専門的知識を有する人
広く豊かな経験を持ち、指導力・実践力を有する人
向上心を持ち、明るさ・積極性に富む人
これらのことが求められています。
倍率と採用見込数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用見込数を比べて考えてみましょう。
採用見込数は以下で発表されています。
石川県公立学校教員採用候補者選考試験の採用見込数について
校種 | 去年の合格者数 | 採用見込数 | 採用数 |
小学校 | 140人 | 140人程度 | 同程度 |
中学校 高校 | 132人 | 130人程度 | 同程度 |
特別支援 | 33人 | 35人程度 | 同程度 |
養護教諭 | 10人 | 10人程度 | 同程度 |
栄養教諭 | - | - | - |
合計 | 315人 | 315人程度 | 同程度 |
採用見込数は多少の変化はありますが、全体では去年と同程度です。
ですが、倍率は去年の3.5倍より下がると予想しています。全国的に教員の人気が低迷していることから、志願者の減少が考えられるからです。
石川県の教採志願者数と志願倍率は次の様に推移しています。
1333人・4.2倍(R元年)→ 1176人・3.7倍(R2年)→ 1184人・3.8倍(R3年)→ 1132人・3.6倍(R4年)
教員の志願者数は減少傾向にあります。
<追記>
志願状況が発表されました。
石川県公立学校教員採用候補者選考試験等の志願状況
志願者は去年より52人減った1132人です。そして、志願倍率は3.6倍です。試験当日に受験を辞退する人が出るので、実際の受験倍率はここから下がります。去年の受験倍率3.4倍を下回る可能性が大きいです。
とはいえ、油断は禁物です。しっかりと対策を取った上で試験に臨むことが大事です。もし不安な方は他都道府県の併願を視野に入れるのもいいでしょう。経験とチャンス、選択肢を増やすことができます。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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小論文試験
総合教養試験の大問6で小論文試験が課されます。
- 90分(総合教養全体)
- 300字以内
- 12点
300~400字程度の文章を読み、自分の考えや指導方法について300字程度で記述します。
総合教養試験の1つとして出題されますが、配点は6つある大問の中で最も低い12点です。
設問の理解や自分の考えをまとめることの難易度やかかる時間に対し、点数が低いです。対策の優先度は低くなります。ですが、捨ててもいいというわけではなく、得意であれば優先して取り掛かるのもいいでしょう。そのあたりはご自身の得意・不得意と向き合って時間を配分する必要があります。
時間の余裕はあまりないので、300字程度を15~20分で書けるように練習しておきたいところです。
例として過去の設問を見てみましょう。
石川県 小論文テーマ
引用 石川県公立学校教員採用候補者選考試験
・森博嗣「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」の文章を読み、筆者の主張に賛成か、それとも反対か、解答用紙の「賛成・反対」のどちらかを○で囲み、それぞれ次に指示されているものについてあなたの考えを、本文を踏まえて400字以内で書きなさい。
・坂東眞理子「親の品格」の一部を読み、下線部について自分の考えとその理由を述べる。(「私は,( )役割に重心をおくのがよいと考える。」から始めるものとし,( )には本文中から25~30字で抜き出した部分を記入すること。)
ここで重要なのは
- 問題の把握
- 意見の決定
- 関連する自らの経験
これらを最初に考えることです。
最初の5分くらいなら時間を割いて考える価値は多いにあります。最初に文の構成を決めることで、文章の内容がブレにくくなり一貫性のある論文が書けるようになるからです。
論文が苦手な方は段落の見出しだけ考える練習をするのがオススメです。見出しだけなので短い時間でも練習することができます。
小論文の書き方ですが、何度も合格小論文を生み出した書き方を詳しく解説しているサイトが参考になります。
合格した小論文を無料公開している記事もあるので、書き方の参考になるでしょう。
「10回合格してわかった~合格できる教採小論文の対策」
また、小論文対策のオススメ書籍をまとめています。
こちらも勉強の参考にしてみてください。
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筆記試験対策オススメ本3選
続きを見る

面接試験
配点や評価項目については、以下で説明されています。
- 個人面接
- 15分
- 100点
- 面接官3人
- 模擬授業を含む
過去の質問内容
- 石川県の志望理由
- 石川県以外の都道府県での受験の有無
- 部活動で大変だったこと
- 部活動で工夫したこと
- ボランティアではどんなことをしたのか、またどのようなことを感じたか
- いじめについての考え
- 不登校の児童が自分のクラスにいたらどのような働きかけをするか
- どんな教師を目指すか
- 部活で学んだことは
- 教育実習でどんなことを感じたか
- 教育実習で大変だったことはあるか
- 理科支援は小学生だが、なぜ行こうと思ったか
- いじめについてどういう対策をとりますか
- 前向きな子どもを育てるために、教師がすべきことは
- 勉強ができない子どもに対して、どう指導するか
- 全員がわかる授業にするために、何を意識するか
- 音読指導について
- 規範意識について
- 担任になったとき、どのようなクラスにしたいか
→どのような方法で行うか - 学生時代に学んだことをどう役立てるか
- 先生に必要なものとは何か
- 保護者とどのように関わっていくのか
- 特別支援学校は希望しているか
- 長所と短所を2つずつ
- 4月に新しい学校でまず何をするか
- もし不合格だった場合、来年はどうするか
- いじめの対応
- 勤務して研修を受けることがあると思うが、それ以外で何か自分で取り組んでいること
- ルールやマナーについてどう指導するか
- 石川県の中高一貫教育について
- 教室の掲示物ではどのような工夫しているか
- 実際に算数を指導していて、子どもたちにはどんなウィークポイントがありましたか
- ボランティアについて確認
- 自己アピールをしてください
- ADHD、LD、高機能自閉症への対応は
- 授業中に暴れる子への対応方法
- わがままな子への注意報は
- 算数が苦手な子への授業工夫
- 教材研究はすべての授業でできていたか
- 子どもに「どうして勉強しなきゃいけないの」と聞かれたら
- 子どもに「勉強したくない」と言われたら
→それでもやっぱりしたくないと言われたら - もし保護者から「うちの子がいじめにあっているみたいなんだけど」と電話があったら何と答えて電話を切るか→それでもまた保護者から「やっぱりまだうちの子がいじめられているみたいだ」と言われたらどう答えるか
- 部活動で一番印象に残っていることは何か
- 部活動で学んだことをどう生かすか
- 教師の責任とは何か
- 教師の使命とは何か
- 憧れの先生について印象に残っていること
- 自分が教師に向いているところ
- 基礎基本を身に付けるためには
- 塾講師と教諭の大きな違いは
- 初めて担任を持ち、入学式の日を迎えたときにかけたい言葉
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業
- 100点
- 8分
- 事前に20分の考える時間が与えられる
模擬授業についての質問
- やってみて難しかったところ
- 分かりやすくするための工夫は何であったか
- 今の模擬授業は自己評価して何点だったか?
→なぜその点数なのか? - 導入のあとは、どのように展開しようと思っていたか
- 良かった点
- 課題はなんと書く予定だったか
- この後の展開
- 模擬授業の中での発言について、児童が「どうして」と聞いてきたらどうするか

筆記も面接もバランスよく勉強していくのが、石川県の試験に合格する鍵になります。また、石川県の教育については第3期 石川の教育振興基本計画を読むことで理解を深めることができます。