

≪長野県の教員の使命・任務≫
子どもの命と安全を守り、夢や可能性を育む
専門性を磨き、人間力を高めるために学び続ける。
としている長野県。試験内容は他県よりも多岐にわたるので、効率的に対策をしていきたいところです。

試験の変更点
いくつかの変更点があります。
詳しくは公立学校教員採用選考要項をご確認ください。
- 試験日程が早まる
- スポーツの技能や実績ある人を対象にした選考の新設
- 圏内で担任経験のある講師に対する一次選考免除の新設
- 大学推薦の拡充
- 高校の申し込みは電子申請に変更
- 高校の一次選考の時間と配点の変更
一般教養は60分→30分 60点→30点
小論文は60分→45分 字数は800字以内→600字以内
いくつかの変更がありますが、高校受験者は変更点が多くあります。特に小論文の時間や配点の変更は大きな変更点です。
また、令和3年度実施の試験より妊娠に伴う採用猶予が設けられています。全国的にも珍しい制度です。妊娠に伴い勤務が困難な場合、合格内定の権利を持ったまま1年間の猶予期間がもらえます。しかもその期間は非常勤講師として働くことができます。女性の働き方を改善させる制度です。
長野県の求める人物は
長野県は次のような人を求めると公表しています。
(長野県教育委員会HPより)
- 教育者としての使命感と責任感を持ち、社会人として規律を遵守する人
- 教育への情熱を持ち、真摯に子どもを理解しようとする人
- 豊かな人間性と広い視野、確かな人権意識を持ち、子どもや保護者の思いに共感できる人
- 同僚や保護者、地域の方々と協力し、共に汗を流し行動する人
- 創造性と積極性があり、常に向上し続けようとする、心身のたくましさを持っている人
- 幅広い教養と教科等の専門的な知識・技能を持ち、柔軟に対応することができる人
- 探究的な学びや、校内外での様々な活動に対して、積極的に取り組むことのできる人
これらのことが求められています。
倍率と採用予定数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校 | 214 | 225名程度 | 同程度 |
中学校 | 132 | 135名程度 | 同程度 |
高校 | 87 | 90名程度 | 同程度 |
特別支援 | 56 | 55名程度 | 同程度 |
養護教諭 | 23 | 20名程度 | 同程度 |
栄養教諭 | 4 | 若干名 | 同程度 |
合計 | 516 | 525名程度 | 同程度 |
採用予定数は去年から大きな増減は見られません。
ですが、教員人気が低迷していることから、倍率は低倍率化すると予想しています。
去年の長野県全体の倍率は約3.7倍でした。
ですが、公立学校教員採用選考状況の資料にも記載がある通り、すべての校種で倍率が下がっています。
全国的に教採の受験者は減っており、長野県も同様です。
採用予定数が去年とほぼ同じということは、受験者数が減ることで倍率は下がります。
長野県の受験者数の推移や全国的な風潮を見ても、倍率低下が濃厚です。
とはいえ、去年の3.7倍は教採の全国平均である3.4倍よりも高い倍率です。それなりの準備や対策は必要ですし、併願を視野に入れることも考えておいた方がいいでしょう。チャンスを広げる意味でも、併願を考えるのも一つの手段でしょう。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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小論文試験
1次選考で小論文試験が実施されます。
- 60分(高校は45分)
- 800字以内(高校は600字内)
義務教育学校受験者は60分で800字以内
高校受験者は45分で600字以内です。
義務教育学校は時間にまだ余裕がありますが、高校は時間の割には多い文量です。題について自分の経験を絡め、何を書いていくか。構成を決めて書けるようにするには、ある程度の時間を必要とします。本番までには練習を重ねて、客観性や一貫性のある文章が書けるようにしておきたいところです。
例として設問を見てみましょう。
令和3年 小論文題
引用 長野県教育委員会 令和4年度公立学校教員採用選考試験
義務教育校
子ども中心の学びについて、自分の体験をふまえて、あなたの考えを七百字以上八百字以内で書きなさい。
高等学校
問
ここで重要なのは
- 問題の把握
- (高校)抽象的な言葉から現在の教育課題に結び付ける
- 問題に対する方策
- 関連する自らの経験
これらを最初に考えることです。
最初の5分くらいなら時間を割いて考える価値は多いにあります。最初に文の構成を決めることで、文章の内容がブレにくくなり一貫性のある論文が書けるようになるからです。
論文が苦手な方は段落の見出しだけ考える練習をするのがオススメです。見出しだけなので短い時間でも練習することができます。
また、選考基準は以下の通りです。
- 題意把握の的確さ(根拠の妥当性等)
- 文章校正の工夫(適切な構成等)
- 論理的思考力(論旨の展開等)
- 表記(誤字、脱字、字数制限等)
小論文の書き方ですが、何度も合格小論文を生み出した書き方を詳しく解説しているサイトが参考になります。
合格した小論文を無料公開している記事もあるので、書き方の参考になるでしょう。
「10回合格してわかった~合格できる教採小論文の対策」
また、小論文対策のオススメ書籍をまとめています。
こちらも勉強の参考にしてみてください。
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筆記試験対策オススメ本3選
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面接試験
一次選考
長野県の一次選考の面接は次のようになっています。
- 集団面接(集団討論してから集団面接)
高校は2次選考で実施 - 受験生7~8人
- 40分(そのうち討論12分)
- 面接官3人
評価の観点
- 意欲
- コミュニケーション力
- 社会性
- 人間性
5段階評価
過去の内容
- 山間部の小規模校の小学校で、体力向上部会で話し合っています。子どもたちのバス通学による体力低下の問題に対し、部会でどのような対策をするか一つの結論を出してください。
- 教員の時間外労働削減が教育活動に与える影響、また、時間外労働削減のための方策について自由に意見を述べなさい。
- 社会科見学の班決めで、子どもたちから好きな班にしたいという意見が出ています。学年で話し合ってください。
- 今の話し合いで印象に残ったこと、最終判断にならなかったが、今思うことは何か、保護者から自分の子が昨年度不登校だったので、全行程好きな班にして欲しいと言われた、どう対応するか。
- あなたは、山間部の小規模小学校の教師です。全校研究室の役員をしています。『人間関係を広げたい』という教師の願いのもと、1、2学年で共同学習を行います。連学年で学習をする良さと課題に触れつつ、具体的な活動を考えてください。
- 主体的対話的で深い学びをし、知識技能、思考力表現力判断力、学びに向かう態度を育むために、学校でどのような活動をしていきますか。
その後の個人質問
- この中でよかった意見を言った人と、その内容は
- 結論を一つにまとめるという形をとったが、そのことについて思ったことは
- 学力向上の方が大事で、体力向上に時間を割いている暇がないという同僚に対し、どのような対応をとるか
- この討論をしていく中で、気をつけていたことは何ですか
- 体力向上のために、保護者と連携するとしたらどのようなことがあるか。○○、○○、というように、いくつかあれば述べよ
- クラスの数人の保護者から、先生の算数の授業が分かりづらいという意見の手紙を貰った。どのように対応するか。○○、○○、というように、順に何点か述べよ
- 理想の教師や憧れの教師を思い浮かべて、漢字一字で表すとしたら、どの漢字か。理由も含めて、端的に
- この討論で、自分の考えは深まったか
- 2年生の保護者から、『1年生と同じ内容では、学習に遅れが出てしまうのでは』と意見が出たとする。私(面接官)を保護者役として、保護者に実際に話すように話して
- 保護者対応について
- 話し合いで(討論の中身は関係ない)大事だと思ったこと
- 話し合いで学んで、これから活かしていきたいこと
二次選考
- 個人面接
- 50分
- 模擬授業含む
評価の観点
- 意欲(教育への情熱、使命感)
- 人間性(広い視野、確かな人権意識)
- 協調性・創造性(コミュニケーション力、協働して行 動する力、柔軟な思考力、向上心)
- 社会性(真摯な対応、幅広い教養)
5段階評価
過去の質問内容
- 自分の役割(部活動、大学時代、職場など)
- 地域と連携して何か教育活動をしているか
→それをする上で何が大切か - 一番ホッとできる時間は何か
- ひい行為に対するあなたの考えは
- ひい行為の防止のため、意識していることは
- 主体的な学びとはなんだと考えるか。また、それを踏まえて、あなたの教室でどんなことをしたか
- あなたのクラスに気になる児童は
→あなたはどのような支援を心がけているか
→それでもなかなか改善されない場合は、どうするか - 地域との連携についてどう思うか
- 子どもがどんな様子だと、主体的対話的で深い学びができたと考えるか
- 支援級の担任で何か苦労したことは
- あなたの短所は
- ゆくゆくは学校経営する立場になっていくが、校長や教頭とどんなことを心がけていくか
- ピアノはどの程度できるか。学校で伴奏はできるか
- 第1希望の事務所所属でも、他の任地に行く場合もありうるがよろしいか
- 部活での挫折をどのように乗り越えたか
- あなたの人生の教訓を、子どもたちにどのように伝えていくか
- あなたはどんな時に探究的な学びをしたいか
- 学校で国際交流の機会があったら、どう活用するか
- 主体性は、なぜ大事か
- コンプライアンスに関して、気になる教員がいたらどうするか
- いじめにどう対応するか
- 志望理由
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業・場面指導
内容
○与えられた課題について、目の前に児童生徒がいることを想定した模擬指導。
- 面接と合わせて約50分
- 1分考えて3分やる。黒板は必ず使う。
- 模擬授業に関する質問がある。
- 面接中に場面指導を課されることもある。
評価の観点
- 専門性
(探究的な学びに向けた授業の構想・展開)
(児童・生徒、保護者等への適切な対応)
5段階評価
過去の内容
- 6年担任。他校の6年生との交流で、クラス紹介を行いたい。主体的な学習につながるような導入をしなさい。
- 模擬授業は隣町の6年生に自分のクラスを紹介する、対話的な授業をしなさい。
- お年寄りの方に昔の遊びを教えてもらった。お年寄りの方々に感謝の気持ちを込めてパーティーを開きたい。子どもたちが主体的に決めていけるような授業をしなさい
- 小学校1年生の学級担任。生活科で校内の秋探しをすることになった。子どもの意欲が上がる導入の場面をしなさい。
- 小2。教室で飼っていたカエルを誤って逃してしまった子に対し、Aくんが「おい、弁償しろ」と怒鳴った。それに対して、あなたは「わざとやったんじゃないでしょ」と声をかけた。試験官がAくんになりきり、一言言うからそれに続けて1分間指導しなさい。
- クラスで飼っているカエルを逃してしまった。弁償しろと言った子に対しての指導とその保護者への電話対応
- 小学校4年生。校外学習で班ごとにお弁当を食べる時間に、Aさんは1人で食べている。「Bさんと一緒に食べたくない。」と言う。今いる場所の近くで子どもが目の前にいると思って続きをやしなさい。反応はありません。
→終わった後に「今の場面指導で、もしやり直すとしたらどこをどんな風にしたいですか?」 - Aくんが泣きながら、教室を出ていった。事情を聞くと「僕は悪くないもんBくんが悪いんだもん。」と言う。どう対応するか
- 今のを指導案1として、指導案2を作るとしたら、どのように変えるか

長野県の教育については長野県教育委員会HPや教員育成指標ガイドブックを見ることで、理解を深めることができます。こういった情報を調べ、一歩ずつ頑張っていきましょう。