

富山県は
ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り拓く人材の育成
- 真の人間力を育む教育の推進 -
という基本理念のもと、教育を進めています。そんな富山県の採用試験について見ていきましょう。

試験の変更点
変更点はいくつかあります。
詳細は富山県公立学校教員採用選考検査 変更点についてをご確認ください。
- 定年前離職者を対象とした特別選考の新設
→ 1次検査の全てを免除 - 大学推薦枠を拡大
- 特別選考「社会人経験B」に「家庭」「農業」「水産」「技術」を追加
- 情報資格所有者が加点対象に追加
富山県が求める教員
「元気とやま」の創造をめざす富山県では、たくましく生きる力を持った"富山の子ども"をはぐくむため、意欲と情熱ある人を求めています。
(富山県公立学校教員採用案内(パンフレット)より)
○子どもが大好きな人
○あふれる情熱と慈しみの心を持った人
○常に自らひたむきに学び続ける人
○困難にへこたれず果敢にチャレンジする人
○周りの声に耳を傾け素直に反省する人
これらのことが求められています。
倍率と採用予定数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校 | 160 | 非公表 | - |
中学・高校 | 141 | 非公表 | - |
特別支援 | 24 | 非公表 | - |
養護教諭 | 7 | 非公表 | - |
栄養教諭 | 3 | 非公表 | - |
合計 | 335 | 330名程度 | 同程度 |
校種ごとの採用予定数はわかりませんが、全体での採用予定数は去年と同程度です。ですが、倍率は去年の2.1倍と同程度~微減だと予想しています。それは全国的に教員の人気が低迷しているという背景があるからです。
富山県の教採志願者数と志願倍率は次の様に推移しています。
822人・2.5倍(R元年)→ 836人・2.4倍(R2年)→ 754人・2.2倍(R3年)→ 756人・2.3倍(R4年)
志願者数は減少傾向で、H25年の1206人から比べると6割ほどに減っています。
<追記>
志願状況が発表されました。
志願状況について
志願者は去年より2人増えて756人です。教職経験者と大学推薦での受験者数が去年を大きく上回ったことが去年よりも増える主な要因となっています。志願倍率は2.3倍ですが、実際には受験を辞退する人がいるので、倍率はさらに下がります。
とはいえ、油断は禁物です。しっかりと対策を取った上で試験に臨むことが大事です。もし不安な方は他都道府県の併願を視野に入れるのもいいでしょう。経験とチャンス、選択肢を増やすことができます。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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記述・論述問題
第二次選考試験の教養(Ⅱ)の試験で記述・論述問題が実施されます。
- 50分
- 800字以内
- 90点
50分で800字以内です。
時間に対して厳しい文量ではありませんが、余裕があるとも言えない時間です。テーマについて考察し、自分の経験を絡め、何を書いていくかを決めていきます。整った構成で書けるようにするには、ある程度の時間を必要とします。本番までには練習を重ねて、客観性や一貫性のある文章が書けるようにしておきたいところです。
例として設問を見てみましょう。
記述・論述問題テーマ
引用 富山県公立学校教員採用候補者選考試験
・「当たり前」と題して、あなたが志望する校種の児童生徒に対して伝えたいことを、自分の経験を踏まえて800字以内で述べなさい。
ここで重要なのは
- 問題の把握
- 問題に対する取り組み
- 関連する自らの経験
これらを最初に考えることです。
最初の5~10分くらいなら時間を割いて考える価値は多いにあります。最初に文の構成を決めることで、文章の内容がブレにくくなり一貫性のある論文が書けるようになるからです。
論文が苦手な方は段落の見出しだけ考える練習をするのがオススメです。見出しだけなので短い時間でも練習することができます。
小論文の書き方ですが、何度も合格小論文を生み出した書き方を詳しく解説しているサイトが参考になります。
合格した小論文を無料公開している記事もあるので、書き方の参考になるでしょう。
「10回合格してわかった~合格できる教採小論文の対策」
また、小論文対策のオススメ書籍をまとめています。
こちらも勉強の参考にしてみてください。
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筆記試験対策オススメ本3選
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面接試験
面接の評価の観点や選考基準は公表されています。
富山県公立学校教員採用選考検査の選考基準
富山県公立学校教員採用選考検査実技検査及び面接等の評価の観点
第1次検査
第1次検査の面接は次のようになっています。
- 集団面接(討論)
- 30分
- 5~6人グループ
- 面接官3人
- 90点(第1次検査250点満点)
評価の観点
- 話し合いに対する貢献度
- 社会性
- 論理性
- 態度
過去の質問内容
- 本県の高校生の就職内定率は全国トップクラスですが、就職者のうち1年以内に10%強の生徒が、また、3年以内に30%程度の物が離職するというデータもあります。このことについて話し合ってください。
- 2005年に個人情報保護法が施行されて以来、個人の氏名、生年月日、その他個人を特定できる情報の取り扱いには一層の注意が必要となっています。一方、SNSの普及により個人の日常を手軽に全世界に向け発信できるようになっています。このことについて話し合ってください。
- 子どもの数の減少が進む中、社会性や規範意識、困難にくじけない心や他者を思いやる心等が育ちにくい環境にあると言われています。このことについて話し合ってください。
- 世界の半数以上の国が18歳を成人と定めています。日本において成人年齢を18歳に引き下げることについて、話し合ってください。
- 高校生の海外留学に関する調査で、「あなたは海外に留学したいと考えますか」という質問に対して「留学したい」と答えた日本の高校生は46%で、米国 (53%)、中国(58%)、韓国(82%)と比べると割合が低いことがわかりました。このことについて話し合ってください。
- 大人と子どもの違いについて話し合ってください。
- 『勉強が嫌い』と言う子がいます。勉強の目的とは何かを考え、話し合ってください。
- 学校教育において子どもを「可愛がる」ということと「甘やかす」ということの違いについて話し合ってください。
- 才能がある人は、「出る杭は打たれる」と言われることがあります。この日本の風潮について話し合ってください。
- 都内のある中学校では、やらされる学習ではなく、生徒が自ら学ぶ仕組みを作るため、4年間かけて一律の宿題を全廃することにしました。「宿題の意義」と「子どもの成長」の2つの観点でこの取り組みについて話し合ってください。
- 子どもの携帯利用による携帯の安全性について(インターネット、SNS、個人情報の保護)
- コミュニケーションについて(家庭内、能力の低下)
第2次検査
- 個人面接
- 20分(模擬授業含む)
- 面接官3人
- 180点(第2次検査270点満点)
- 自己アピール・模擬授業を含む
評価の観点
- 教職適性
- 人柄
- 態度
など
過去の質問内容
- 印象に残っている恩師の声かけ
- 印象に残っている恩師の指導
- 部活動を選んだ理由
- 部活動での役職は、またそこから何を学んだのか
- 部活動の成績は
- 教育実習で苦しんだことはことはなにか
- ボランティアで得たことはなにか
- ボランティアで大変だったこと
- 小学校での勤務もありうるが、小学生を相手にしたとき何が大変だと思うか
- 協調性を発揮した経験は
- 自分の長所は
- 長所を生かして、子どもにどう接するか
- 長所を生かして、どうクラスづくりをするか
- あなたが明るく元気になったきっかけはなにか
- 現場では思い通りにいかないときがあると思うが、そうなったらどう対応するか。
- 部活で学んだこと、それをどう教育で生かすか
- 特別支援の採用でも大丈夫か
- 富山に永住するか
- 他県は受験しているか
- なぜ富山県を受験したか
- 余暇支援のエピソードを一つ
- 学びのアシストで苦労したことは何か
- 趣味をどう使ってますか
- 下宿でよかったこと、悪かったこと
- 特別支援学校の教師にとって、1番大事なことは何か
- ボランティア、サークルと、学業の両立はできているか
- 大学では何をテーマにまなんでいるか
- 試験まで何を考えていたか
- 志望動機について
- 中学校と小学校の違い
- 教師間の連携にどのように取り組むか
- 安全指導にどのように取り組むか
- 先生から学んだこと
- 講師をしていてうれしかったこと
- 良いところを見つけるために、どう取り組むか(取り組んだか)
- 良いところを認めることで、子どもたちはどう変わったか
- チューターの活動内容
- そこから学んだこと
- TAでの活動内容
→よかったことや難しかったこと
→難しいと感じてどうしたか - 子どもをどのようにとらえているか
- 他校種でもいいか
- 最近の報道で気になるものは
- 地球環境についてどう思うか
- 趣味と得意なスポーツについて
- 英会話はどの程度できるか
- パソコンは日常でどのように使っているか
- 実習の担当教諭にほめられたことは
- 自己PR(2分)
- 聞くこと、待つことは授業においても大事だと思うか
- 子どもに聞く力をつけるためにどんなことが必要か
- あなたの学生生活を短い言葉で言うと
- 子ども達はメールやラインなどをよく使っているが、どのくらいやっていると思うか
- ラインなど、問題も多いがどのような指導をするか
- ラインは単語で会話できる。単語で会話する子どもへ、どのように論理的な表現や思考を教えるか
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業
個人面接の中で模擬授業が行われます。
また、模擬授業についての質問があります。
評価の観点
- 指導内容の把握
- 説明のわかりやすさ、
- 興味・関心を持たせる工夫
など
過去の質問内容
- この授業でのねらいは
- 残り時間でどのように展開するか
- 板書での工夫は何か
- 授業で何を気をつけたのか
- 出来る子と出来ない子への配慮は
- なぜこの題材を選んだか
- 授業では何を大切にするか
- 授業で外に出るときどんな注意を子どもにするか
- 授業が終わったとき、子どもにどんな姿になっていてほしいか
- 次の時間にどうつなげるか

富山県の教育については
富山市教職員研修の手引(道しるべ)
新富山県教育振興基本計画(概要版)
が必読です。富山県の教育についての理解を深めていきましょう。