

伝統と文化を重んじる京都市。
京都市主催の教員養成システム出身者や市内の講師が優遇される制度が多くあります。京都市での採用を考える方は、それらの制度を上手く活用することが合格への近道となります。

試験の変更点
いくつかの変更点があります。
詳細は試験実施要項をご確認ください。
- 模擬授業の教科・単元・場面等を当日指定から事前指定に変更
(高等学校及び総合支援学校教諭は除く) - 総合支援学校教諭の受験資格要件を緩和
「特別支援学校の普通免許状を有しない方」についても受験可 - 大学・大学院推薦制度による対象教科・人数の拡大
- 常勤講師の「第1次試験免除制度」を拡大
一般・教職教養試験の取りやめ - 1次試験面接の配点が増加(70点→80点)
- 情報系資格への加点措置の追加
- 小学校英語特進の資格要件にGTEC(CBT),IELTSが追加
- フロンティア選考(保体)出願要件の拡充
令和3年度実施試験の一般・教職教養試験が取りやめや加点措置の拡大に続き、受験者に有利な変更が多くみられます。中でも特支免許を所有しなくても総合支援学校教諭の受験ができるようになったのは大きな変更です。
採用予定数と倍率
気になる倍率ですが、去年の合格者数と比較して考えてみることにしましょう。
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校 | 135 | 100 | 減 |
(幼稚園) | 3 | 若干名 | 同程度 |
中学校 | 78 | 60 | 減 |
高校 | 15 | 15 | 同程度 |
総合支援 | 49 | 50 | 同程度 |
養護教諭 | 10 | 10 | 同程度 |
栄養教諭 | 3 | 若干名 | 同程度 |
合計 | 290 | 235名 | 減 |
去年の合格者数と比べ、採用予定数が50名以上の大幅減となります。特に小学校では30人以上の採用減となります。
全国的に教員人気が低迷しているとはいえ、これだけ採用予定数が減ると倍率の増加は必至でしょう。倍率は去年の5.8倍から高倍率化すると予想されます。
また、京都市含めて近畿は試験の倍率が高めです。不安に感じるなら他の自治体を併願するのもいいでしょう。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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京都市が求める教員像
すべての子どもに「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」を育む
ということを目標に、京都市は求める教員像を3つ掲げています。
(教員採用選考試験パンフレットより)
◎子どもへの教育的愛情と教職への使命感や情熱をもっている
◎常に自己研鑚に努め、子どもと共に学び、成長しようとする姿勢がある
◎チームとして周囲と連携・協働でき、幅広い知見で課題解決する力がある
これらのことが求められています。
第1次試験
個人面接
- 個人面接(場面指導を行う場合あり)
- 約10分
- 面接官2人
過去の質問内容
- なぜ京都市を受けたか
- なぜ府でなく京都市なのか
- どのような学級を作りたいか
- 授業をする時には何を意識するか
- 良い発問とはどんなものか
- 現在の教師の課題は
- その改善点は
- 現在の子どもの課題と改善点は
- 保護者との信頼関係をどう築くか
- 教師に必要な資質を一つ挙げるなら何か
- なぜ教師を目指すのか
第2次試験
集団討議
- 11人グループ
- 40分
- 面接官3人
過去の質問内容(要約)
・発達障害の疑いのある児童のいる学級集団を高める取り組み
A児の保護者から「B児のことで学校が面白くないと言っています。どうにかしてください。」という連絡があった。あなたが担任ならこの事態をどう捉え、どう対応するか。
また、今後、学級集団を高めるためにどのような取り組みを考えるか。議論を深めなさい。
※B児は中間休みにA児からボールを取り上げ、ぶつけた。その後も落ち着きがなく、注意をすると教室からとび出した。
・卒業アルバム掲載拒否への対応
夏休み前、A子の母親から担任に「卒業アルバムに子どもの写真や個人名の記載をしないでほしい。」と連絡があった。
あなたが担任なら母親の発言の真意をどう捉えるか。また、担任・学年・学校組織の一員としてどう行動するか。
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業
指導案の作成と模擬授業が課されます。
指導案作成では決められた単元や単元の目標から「単元について」「本時の展開」を作成していきます。
「学習内容」「児童の活動」「留意点」「評価の基準」と作成する項目が多いので、事前の練習なしでは難しいでしょう。
模擬授業では作成した指導案を基に8分間の授業を行います。

京都市は市に縁のある人が優遇される傾向が強いです。他県の方は京都市で働く知り合いがいれば、京都の内情や試験の傾向を教えてもらうのが得策です。また、京都にいる方であれば先輩教員や管理職の先生に頼ってみましょう。面接や模擬授業の練習をしてもらえれば、大きなアドバンテージになります。