

未来を拓く たくましい「やまぐちっ子」の育成
という教育目標を掲げる山口県。その最大の課題は人口減少です。キャリア教育や地域連携教育の充実により、郷土に愛着を持つ人を育てようとしています。その他、求める人物像や試験の内容を紐解いていきましょう。

試験の変更点
変更点がいくつかあります。
詳細は山口県公立学校教員募集パンフレットをご確認ください。
- 受験年齢の上限の引上げ
→49歳以下から59歳以下へ変更 - 高校及び特支高等部の情報の出願要件の見直し
→情報の普通免許の身で受験可能 - 社会人特別選考(高校情報)で特別免許状の活用
→免許なし(取得見込みなし)でも受験可能 - スポーツ・芸術特別選考におけるスポーツ分野の対象種目の見直し
- スポーツ・芸術特別選考における特別免許状の活用
→中学校(保健体育、音楽、美術)、高校(保健体育、芸術(音楽、美術))では免許なし(取得見込みなし)でも受験可能
山口県が求める教師像
山口県が求める教師像は6つあります。
(山口県が求める教師像より)
●豊かな人間性と人権尊重の精神を身につけた人
●強い使命感と倫理観をもち続けることができる人
●児童生徒を共感的に理解し、深い教育的愛情をもっている人
●幅広い教養と専門的知識、技能をもっている人
●豊かな社会性をもち、幅広いコミュニケーションができる人
●常に自己研鑽に努める意欲とチャレンジ精神のある人
これらのことが求められています。
倍率と採用見込者数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用見込者数を比べて考えてみましょう。
校種 | 去年の合格者数 | 採用見込者数 | 採用数 |
小学校 | 174人 | 173人程度 | 同程度 |
中学校 | 86人 | 100人程度 | 増 |
高校 | 64人 | 58人程度 | 減 |
特別支援 | 24人 | 24人程度 | 同程度 |
養護教諭 | 10人 | 5人程度 | 減 |
合計 | 360人 | 360人程度 | 同程度 |
採用数は中学で増え、高校・養護教諭で絞られます。全体としてみると、採用見込者数は去年と同程度となります。
気になる倍率ですが、低倍率になると考えています。全国的に教員の人気が低迷しており、多くの自治体で受験者が減っているからです。
山口県でも志願者数は年々減っており、次のように推移しています。
1312人・2.8倍(R2年)→ 1182人・3.2倍(R3年)→ 1060人・2.9倍(R4年)
<追記>
志願状況が発表されました。
志願状況資料(総括表)
志願倍率は2.9倍です。去年の3.2倍より減り、去年の全国平均の3.4倍を下回る倍率となっています。また、実際には受験を辞退する人がいるので、倍率は2.9倍からは下がります。全国と比較すると合格に届きやすい自治体だと言えます。
とはいえ、油断は禁物です。しっかりと対策を取った上で試験に臨むことが大事です。もし不安な方は他都道府県の併願を視野に入れるのもいいでしょう。経験とチャンス、選択肢を増やすことができます。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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小論文試験
第二次選考試験(一部の特別選考では第一次選考試験)で小論文試験が実施されます。
- 50分
- 800字以内
50分で800字以内です。
時間に対して厳しい文量ではありませんが、余裕があるとも言えない時間です。テーマについて考察し、自分の経験を絡め、何を書いていくかを決めていきます。整った構成で書けるようにするには、ある程度の時間を必要とします。本番までには練習を重ねて、客観性や一貫性のある文章が書けるようにしておきたいところです。
例として設問を見てみましょう。
平成30年 小論文テーマ
技術革新の進展により、近い将来、多くの職種が人工知能(Al)やロボット等により代替できるようになる可能性が指摘されている一方で、これまでになかった仕事が新たに生まれる時代が到来すると言われています。 このような時代に、子どもたちが社会を生き抜くためには、どのような力が求められると、あなたは思いますか。また、あなたは教員として、子どもたちにこれからの社会を生き抜く力を育成するために、どのようなことに取り組んでいきますか。具体的に書いてください
引用 山口県公立学校教員採用候補者選考試験
ここで重要なのは
- 問題の把握
- 問題に対する取り組み
- 関連する自らの経験
これらを最初に考えることです。
最初の5~10分くらいなら時間を割いて考える価値は多いにあります。最初に文の構成を決めることで、文章の内容がブレにくくなり一貫性のある論文が書けるようになるからです。
論文が苦手な方は段落の見出しだけ考える練習をするのがオススメです。見出しだけなので短い時間でも練習することができます。
また、選考基準は以下の通りです。
教育的愛情、教育に対する情熱・意欲、教育観、
人権意識、倫理観、表現力、創造力、指導力、
社会性、積極性、協調性等
各評価の視点について、5段階で評価
小論文の書き方ですが、何度も合格小論文を生み出した書き方を詳しく解説しているサイトが参考になります。
合格した小論文を無料公開している記事もあるので、書き方の参考になるでしょう。
「10回合格してわかった~合格できる教採小論文の対策」
また、小論文対策のオススメ書籍をまとめています。
こちらも勉強の参考にしてみてください。
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筆記試験対策オススメ本3選
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面接試験
山口県のでは第一次試験で集団面接(討議)・第二次試験で集団面接(模擬授業・討議)と個人面接が行われます。
集団面接(討議)
- 60分(構想5分、意見15分、討議40分)
- 6人グループ
- 面接官3人
評価の視点
表現力、判断力、社会性、積極性、協調性等
各評価の視点について、5段階で評価
過去の内容
- 情報モラルの大切さについて
- 子ども達が意欲的に主体的に学ぶ態度を育むために、どのようなことを心がけたらいいか
- 子ども達が情報モラルも身に付け、情報通信機器を適切に活用できるようにするために、どのようなことを心がけたらいいか
- 子ども達が自己の生き方について考え、目標に向かって努力する態度を育むために、どのようなことを心がけたらいいか
- 子ども達が郷土に誇りと愛着を持ち、地域の一員としての意識を高めるために、どのようなことを心がけたらいいか
- 子ども達が一人一人の存在を認め合い、互いを尊重する態度を育むために、どのようなことを心がけたらいいか
集団面接(模擬授業・討議)
- 模擬授業及び討議
- 20分(構想15分、授業は導入の5分)
- 6人グループ
- 面接官4人
評価の視点
教育的愛情、教育に対する情熱・意欲、教育観、
人権意識、倫理観、表現力、創造力、指導力、
社会性、積極性、協調性等
各評価の視点について、5段階で評価
過去の内容
- グループで協力し、小5(中2、高2)の子どもに「○○」について考えを深めさせる1時間の授業を立案する。どのような授業になるか討議せよ
- 「相手や場に応じた言葉遣いを心がけること」
- 「ボランティア活動を行うこと」
- 「自然や環境を守ること」
- 情報モラルの大切さについて
個人面接
- 個人面接及び適性検査
- 教職専門(教育法規、生徒指導等)
- 志願教科(科目等)と同一教科(科目等)等
評価の視点
教育的愛情、教育に対する情熱・意欲、教育観、
人権意識、倫理観、表現力、創造力、指導力、
社会性、積極性、協調性等
各評価の視点について、5段階で評価
過去の質問内容
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業
模擬授業のポイント、留意点など

山口県は人口減少の課題の中、知・徳・体の教育の推進や教育環境の整備などの取り組みを行っています。次の資料から、山口県の教育についての理解を深めることができます。
山口県教育振興基本計画・山口県教育振興基本計画
山口県の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱