

堺市は人権を大切にしている自治体です。面接でも人権意識や指導に活かせるかどうかを問うことが多いです。人権について日ごろから意識的に考えると良いでしょう。

試験の変更点
いくつかの変更点があります。詳細は
令和5年度(令和4年度実施)堺市立学校教員採用選考試験の試験制度を変更します
でご確認ください。
- 選考区分の変更
→社会人経験者とICT活用能力所有者を「特別選考」に統合 - 募集校種の変更
→「小学校外国語推進」を新設し、「小中一貫教育推進【英語】」は廃止
→来年度の「小学校・幼稚園共通」及び「高等学校」の募集はなし - 加点制度の変更
→「小学校・特支小学部」出願で中学校(数学、理科、保健体育、英語)いずれかの免許状所有者への加点を現行の20点から30点に引き上げ - 出願方法の電子化
堺市の求める人物像は
堺市が求める人物像は3つあります。
(受験案内より)
子どもの主体的な学びを創造する人〔主体的な学び〕
○ 主体的・対話的で深い学びの意義や方法について理解し、取り組む意欲のある人
○ 子どもの興味・関心を引き出す問題解決的な学習について理解し、取り組む意欲のある人
学校のチーム力を向上させる人〔チーム力〕
○ チームの一員としての意識をもち、周囲と協働していくことができる人
○ チームとして課題解決に向けて取り組むことの重要性を理解し、主体的に働きかけることができる人
豊かな人権感覚をもち、自覚と責任のもとに行動する人〔豊かな人権感覚〕
○ 教員となることについて自覚をもち、責任ある行動をとることができる人
○ 広い視野で自他を肯定的に捉え、人権を尊重する態度や意識をもつ人
これらのことが求められています。
倍率と採用予定数
気になる倍率ですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校・ 特支小学部 | 66名 | 約75名(英語推進含む) | 増 |
小中英語推進 | 3名 | 3名程度 | 同程度 |
小学校・ 幼稚園共通 | 2名 | 募集中止 | 減 |
中学校・ 特支中学部 | 52名 | 約75名 | 増 |
養護教諭 | 7名 | 約6名 | 同程度 |
栄養教諭 | 1名 | 若干名 | 同程度 |
合計 | 131名 | 約156名 | 増 |
今年は小学校・中学校で採用数が増えました。一方、幼小共通は募集停止となります。
気になる倍率ですが、低倍率化することが予想されます。
採用数の増加と受験者の減少が合わさるからです。教員の人気が低迷していることもあり、全国的に教採の受験者は減っています。この流れは堺市も同様です。
志願者数の変化を見ると963人(R2年)→888人(R3年)と志願者数は75人も減っています。
そして倍率は志願倍率は8.3倍(R2年)→7.4倍(R3年)に下がっています。
そこから受験する人数はさらに減り、実際の受験倍率は5.3倍(R3年)でした。
例年、志願者の中でも受験する人は約200人少ないです。志願者が多くて倍率が高く見えても実際の倍率はかなり下がるので、前向きに対策を進めていきたいところです
とはいえ、堺市は全国の3.4倍よりもかなり高い倍率です。しっかりと対策を取った上で試験に臨むことが大事です。もし不安な方は他都道府県の併願を視野に入れるのもいいでしょう。経験とチャンス、選択肢を増やすことができます。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
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もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
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一次試験
個人面接(1次試験)
- 25分程度
- 面接官3人
- 150点(1次試験 300点)
主な評価の視点
- 教育にかける”ゆめ”や情熱をもっているか。
- 広い視野で自他を肯定的に捉え、人権を尊重する態度や意識があるか。
- 指導上必要な基礎知識について、理解しているか。
- 子ども一人ひとりに寄り添い、大切にしようとする姿勢があるか。
- 集団の中で、自身の役割を意識し、他者と協力する姿勢があるか。
個人面接の評価 - 教員としての適性を、求める人物像に示す観点をもとに、5 段階で評価する。
過去の質問内容
- 教員の志望動機
- 堺市の志望理由
- 理想の教師像
- 堺市の教育課題
- 堺市で気になるところは
- 堺市の良いところは
- あなたの良さをエピソードを交えて具体的に
- 人権に関して、普段気をつけていること
- 駅の写真を見て、何か気づくことはあるか
- 女性専用車両の写真から、見て気づくこと
- そこから児童に教えるとしたら何を教えるか
- 避難場所や英語で書かれたロゴについて、人権意識の観点からの感想は
- 人権の大切さを子どもに伝えるにはどうするか
- 子どもと関わる上で大切にしていることは
- 校外学習の時に気をつけることは
- 自分の面接は何点か
- その理由
(参考)集団討論 令和2年以降は行われていません
- 4~6人グループ
- 30分
- 面接官3人
150点(1次試験 300点)令和2年以降は実施せず- 2分間構想
- A4の画用紙に考えをまとめ、30~11分程度で説明
- その後、10~15分程度で討論
主な評価の視点
- 広い視野で自他を肯定的に捉え、人権を尊重する態度や意識があるか。
- 討論を通して、合意形成したり、問題を解決したりする重要性について理解しているか。
- 集団の中で、自身の役割を意識し、他者と協力することができるか。
- 相手を意識して、分かりやすく話す、聞くことができるか。
集団討論の評価 - 教員としての適性を、求める人物像に示す観点をもとに、5 段階で評価する。
過去の課題
- ゴミ分別回収の意義と現状、どうしたらよりよい町にしていけるか
- 安心なまちづくりをする上で大切なことは何か
- 高齢者が増える社会で何に心がけたらいいか
- 男性の育児参加を推進するにはどうすればいいか
- 個性を活かすことのできる社会を実現するためにはどのような施策が必要になるか
個人面接(2次試験)
- 30分
- 面接官3人
- 場面指導含む(詳しくはページ下部)
- 450点(総合得点1000点)
- ※1次面接150点 2次試験の専門教養450点との合計
- 1分で自己紹介→場面指導→面接という流れ
試験内容
受験案内より
※全受験者に対して、場面指導(設定された様々な場面についての指導方法や対応方法について、面接員に対して説明する)を実施します(ロールプレイ形式ではありません)。
※「中学校・中学部(特別支援)」の受験者については、特別支援教育に関する専門識や配慮を要する児童・生徒への対応方法等を問う質問も行います。
※「小学校外国語推進」の受験者に対しては、小学校外国語推進パフォーマンスシートから質問を行う場合があります。パフォーマンスシートは2次受験票発行の際に配付します。
※特別選考(ICT活用能力所有者)の受験者については、出願時のレポートから質問を行う場合があります。
主な評価の視点
- 教育にかける“ゆめ”や情熱をもち、自分の“よさ”を生かしているか。
- 広い視野で自他を肯定的に捉え、人権を尊重する態度や意識があるか。
- 困難に立ち向かう強い意志をもち、様々な課題に対して的確かつ柔軟に対応することができるか。
- 教員となることについて自覚をもち、責任ある行動をとることができるか。
- 学習指導要領等の指導上必要な基礎知識を理解するとともに、時事的な教育課題について、理解しようとしているか。
- 一人ひとりの子どもに寄り添いかかわることの必要性・重要性について、理解しているか。
- これまでの学生生活や社会人生活等での経験に基づき、明確に自分の考えを述べ、相手に伝えることができるか。
- 組織の一員として自身の役割を意識し、他者と協力する大切さについて理解しているか。
個人面接の評価 - 教員としての適性を、求める人物像に示す観点をもとに、5 段階で評価する。
面接での質問例
- 教育実習を終えて、今の小学校の雰囲気は
- 教育実習で何を学んだか
- 休み時間は、子どもとどのように過ごしたか
- 小学校では、どのような遊びが流行しているか
- ドッチボールをして、苦手な子どもがいた場合どのように対応するか
- 一般企業では、どのような業務を担当していたか
- 退職してから、次の仕事に就くまで空白の期間があるがなぜか
- なぜ小学校の教員を志望したのか
- 堺市以外に他の自治体も受験しているか
- 自分の長所をどのような場面で活かせるか
- 影響を受けた恩師の指導はどのようなものだったか、具体的に
- 水泳はどれくらいできるか
- 堺市が学校全体で取り組んでいる内容は
- 人権とはどのような内容があるか
- いじめを未然に防ぐにはどのように対応するか
- いじめられた経験はあるか
- 不登校はなぜ発生するか
- 最後に言い残したことがあれば30秒で
- 外国語活動をどのようにとらえるか
- 学力に差がある場合、どちらを優先するか
- 配慮を要する子にはどう対応するか
- 自分の長所は
- 6年生担任になったらどういうことに気をつけるか
- コンプライアンス遵守とは何か
- 教育課題の中で一番重要だと思うものは
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

場面指導
試験要項に、場面指導についての記載があります。
※全受験者に対して、場面指導(設定された様々な場面についての指導方法や対応方法について、面接員に対して説明する)を実施します(ロールプレイ形式ではありません)。
場面指導については、2次試験の個人面接の前に行われます。
・構想1分
・演示2分
・終わってから、演じた内容についての質問があります。
過去の課題
- クラスのある児童が描いた絵の上に落書きをされ、泣いていた。どのように学級全体を指導するか。
- 小5担任。A君が「あいさつする意味ある?」と言い、周りの子も同調していた。あいさつについてどう指導するか。
- 小2のAさんが夏休みの宿題を家に忘れた。周囲の子が「本当はやっていない。」「ずるい。」と笑っている。学級全体にどう指導するか。
- プロレスの技のかけ合いが学級で流行っている。しかし、特定の子ばかりがやられている。技をかけている子は「やられてる方は楽しんでいる。」と言う。学級全体にどう指導するか。

堺市は「SDGs未来都市・堺」を掲げ、都市としての発展を見据えています。そして、夢の実現と堺市に誇りを持つ子ども像を目指しています。そんな教育を推進できる人物が求められています。
(教員募集案内を参考)