

横浜市は持続可能な社会の実現を見据え、先進的な取り組み多い自治体です。未来を創るという意味でも、広く社会の動きを学んで将来のビジョンを持つことが対策の1つになります。

試験の変更点
試験の変更点がいくつかあります。詳細は受験案内をご確認ください。
- 障害がある方対象の特別選考を実施
- 適性検査の実施
- 論文試験が復活(第二次試験日に実施)
- 特定資格への加点の実施
- 大学院進学による採用延期を実施
- 育休代替行使の試験を併せて実施
- ネット申し込みのみ
- 大学推薦の対象教科に「美術」「技術」「家庭」が追加
- 社会人経験社に対する資格要件を一部緩和
過去2年間中止になっていた論文試験が復活します。
勉強や練習の労力が増えますが、あなたのような情報を調べてる積極性のある方なら他の受験者には後れを取ることはないでしょう。対策して点差をつけるチャンスとも取れます。
横浜の求める教員像
横浜市が求める教師像は3つあります。
(募集案内より)
○教育への使命感や情熱をもち、学び続ける教師
○「チーム学校」の一員として、ともに教育を創造する教師
○子どもによりそい、豊かな成長を支える教師
これらのことが求められています。
倍率と採用予定数
気になる倍率についてですが、去年の合格者数と今年の採用予定数を比べて考えてみましょう。
校種 | 去年の合格者数 | 採用予定数 | 採用数 |
小学校 | 602 | 約520名 | 減 |
中高 | 322 | 約210名 | 減 |
特別支援 | 60 | 約45名 | 減 |
養護教諭 | 38 | 約30名 | 減 |
高校(商業) | 3 | 若干名 | 同程度 |
合計 | 1025 | 約805名 | 減 |
このデータだけを見ると採用数が絞られるように思えます。ですが、令和3年度実施の試験では募集数780人に対して1025名の合格者がいました。令和2年度実施の試験でも募集635人、合格1001人です。今年も募集数よりも多く採用されることが予想されます。
(参考)試験結果
また、教員の人気が低迷しています。受験者の数は年々減っており、去年の倍率は2.9倍でした。これは全国平均の3.4倍を下回っています。ですが油断は禁物で、しっかりと対策を取った上で試験に臨むことが大事です。もし不安な方は他都道府県の併願を視野に入れるのもいいでしょう。経験とチャンス、選択肢を増やすことができます。
【日本全国】66自治体の情報を集めまくって気づいたこと
教採対策オススメ書籍
教採の対策方法はいろいろあります。
・講座を受講する
・先輩に見てもらう
・対策のサークルに参加する
などなど。
その中でもお手軽かつ効果的なのが書籍での学習です。
・必要な知識が体系的にまとめられている
・1人で学習できる
・時間や場所の制限がない
・安い
と、メリットはたくさんあります。
もちろん本を読むだけでなく実際の練習は必要ですが、
読書で知識を学ぶ → 練習 → 読書 → 、、、
というサイクルをしていけば、練習の効果は倍増していきます。
教採対策のオススメ本をまとめています。
ぜひこちらも参考になさって下さい。
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合格したいなら必読の教採オススメ書籍まとめ
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論文試験
第2次試験で論文試験が実施されます。
- 30分(R元年実施分までは45分)
- 800字以内(R元年実施分まで)
過去2年間で行われなかった論文試験が実施されます。
試験時間は30分です。以前と同じなら800字程度の記述が求められます。
時間の割には多い文量です。問題文を読み、内容を把握し、書く内容を考えるのにはある程度の時間を必要とします。本番までには練習を重ねて、客観性や一貫性のある文章が書けるようにしておきたいところです。
例として設問を見てみましょう。
令和元年 論文題
引用 横浜市教育委員会 令和元年度横浜市立学校教員採用候補者選考試験
小学校
学習の基盤となる資質・能力の一つとしての言語能力の確実な育成が求められています。各教科の授業において、言語能力をどのように育成することができるか、教科横断的な視点に立ち、具体的な工夫例を挙げながら述べなさい。(800字以内)
中学校・高等学校
日本が批准している「子どもの権利条約」では、第 12 条で意見表明権について、次のように規定されています。
「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。」
上記の意見表明権を保障するとともに、その大切さを生徒が理解するため、教科学習や学習指導の場面で、あなたはどのような指導を展開したいと考えるか、具体的に述べなさい。(800字以内)
特別支援学校
自立と社会参加に向けた教育の充実のために、特別支援学校教員として、子どものもっている本来の能力を育みつつ、どのような教育を展開していきたいと考えるか、あなたの考えを具体的に述べなさい。(800字以内)
養護教諭
養護教諭に求められる基本的な資質能力および職業倫理とは、どのようなものですか。具体的な場面を想定しながら述べなさい。(800字以内)
ここで重要なのは
・問題の把握
・問題に対する方策
これらを最初に考えることです。
最初の5分くらいなら時間を割いて考える価値は多いにあります。最初に文の構成を決めることで、文章の内容がブレにくくなり一貫性のある論文が書けるようになるからです。
論文が苦手な方は段落の見出しだけ考える練習をするのがオススメです。見出しだけなので短い時間でも練習することができます。
また、論文試験の評価の観点は公開されていて次の通りです。
<基本的事項>
1 文章の構成
2 分かりやすさ
3 誤字脱字
4 文字数(論文用紙の80%以上)
<論文内容>
1 テーマに沿って論じている
2 テーマを多面的に捉えている
3 自分の考えを具体的に記述している
小論文の書き方ですが、何度も合格小論文を生み出した書き方を詳しく解説しているサイトが参考になります。
合格した小論文を無料公開している記事もあるので、書き方の参考になるでしょう。
「10回合格してわかった~合格できる教採小論文の対策」
また、小論文対策のオススメ書籍をまとめています。
こちらも勉強の参考にしてみてください。
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筆記試験対策オススメ本3選
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面接試験
横浜市の面接試験は第二次試験で行われます。
また、受験案内の『よくあるお問合せ』に試験の流れが記載されています。
Q11 第二次試験で集団面接は実施されないのですか?
A 令和4年度実施試験においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止等の観点から、集団面接を中止します。
Q13 昨年度の第二次試験の個人面接はどのように行われましたか?
A 一般的な面接と、模擬対応(場面指導)を2分程度実施しました。模擬対応では実際に学校で起こりうる突発的な事態をお伝えして、その場で演じていただきました。
個人面接
- 30分
- 面接官2人
- 場面指導(2分含む)
過去の質問内容
- なぜ横浜市を受験したか
- 高校時代の恩師の影響とは
- なぜ小学校を受験したか
- 学童保育の経験
- 意欲がない子にどう指導するか
- 保護者のクレームはどう対応するか
- 水泳とピアノはどのくらいできるか
- 中学、高校の免許も取得予定だが、なぜ小学校志望か
- 横浜市教員の志望理由
- 子どもに達成感を味わわせるには
- これまでに最も困難と感じたことは
- ボランティアをしている中で困難と感じたことは
- 教室を飛び出してしまった児童がいたときに、原因として想定されることはどんなことだと考えるか
- 子どものことを親身になって考えている先生とは具体的にどういう先生か
- 全教科を担当する自信はあるか
- あなたの強みは、どういうところか
- あなたの改善したいと思うところは
- 大学での部活経験を学級経営にどのように生かすか
- 体育でラグビーを子どもたちに指導するなら、どう指導するか
- 子どもに実力差や考えの違いで関係がこじれることがあるが、その状況にどう対応するか
- 教職員間であった場合には
- 恩師からの影響
- 自信の強みについて
- 今まで困難だったこととその解決方法は
- どんな学級をつくりたいか
- 「勉強したくない」と言う児童にはどう接するか
- 発表で前に出たくない児童にどう対応するか
- 机間指導中「○○ちゃんだけ教えてもらってずるい。」と他の児童が言ったらどうするか
- 教育実習で嬉しかったエピソード
- 授業力はどのようにしてつけるか
- どのように自己肯定感を高めていくか
- アシスタントティーチャーと現職教員の開きについてどう考えていますか。
- 担任の先生になったとして、子ども一人一人のことを受け止められる
- 学級崩壊になった場合、担任としてどのように対応するか
- 学級崩壊の状態になった場合、どのようなことを基盤として考えるか
- どのように自己肯定感を高めていくか
- 成績処理で気を付けていることは何か
集団面接
令和4年度実施試験では行われません。
- 受験者8人
- 20分
- 面接官3人
過去の質問内容
- 今までの経験で学校で生かしたい事
- 保護者の対応について
- いじめのない学級をつくるために何をしたいか。
- 保護者があなたに相談しやすい環境をつくるためにどのようなことを心がけたいか
- あなたの長所はどういう点だと考えているか
- いじめ等の問題があるが、どのように子ども達と関わり、子どもを理解するか
- 保護者との連携はどのようにとっていくか
面接の対応力を上げるには
教採は面接でいかに高得点を取るかが重要になってきます。
面接は
・配点が高い
・講師をすることで筆記は免除になるが、面接は免除にならない
・自治体によっては、筆記で合格最低点さえ取れば面接の点数順に一次合格になる
と、教採の中でも非常にウエイトの高い試験です。
どれだけ面接を攻略していくかが教採合格の鍵を握ります。
面接が苦手な人もいれば高得点を取る人もいますが、それぞれに共通していることがあります。
それは相手に好印象を持ってもらえるかどうかが大きな要因になっています。
どれだけ正確で深い知識をもっていても、悪い姿勢でボソボソ話していては印象としては悪く、合格は難しいです。
面接で高得点を取る人、思った以上に点数が伸びない人。
それぞれの特徴については次の記事が大変参考になります。
無料で一部読めるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>教採で落ちない面接 高得点を取る人の共通点と対策法

模擬授業・場面指導
受験案内の『よくあるお問合せ』に試験の流れが記載されています。
Q14 昨年度の第二次試験の模擬授業はどのように行われましたか?
A 模擬授業は1人ずつ入室し、2名の試験員を児童生徒役として、当日示されたテーマで数分実施しました。ここでの指導案作成はなく、模擬授業の終了後、試験員から授業についての質問を行いました。
模擬授業
受験者…8人
面接官…3人
時間…構想5分
授業5分
授業内容は、授業全体の中から5分を切り取ったものです。ですので、完結する必要はなく、中盤からはじめて不自然なスタートになっても構いません。
過去の題
3つの中から選びます。
・①職業②クラブ活動③表
・①粘土 ②目標 ③未来
・①リズム②自主性③電話
・①疑問文②スモールトーク③家族の幸せ
・①食生活②係活動③ボランティア
・①立体について②二次方程式の解き方③郷土愛を育む
場面指導
- 個人面接に含む
- 2分
過去の題
- 授業が始まるチャイムが鳴ったときに、窓から校庭を見ると、あなたのクラスの子どもが飼育小屋から抜け出したウサギを追いかけている。このとき、あなたはどう指導するか
- 下校時に、家とは反対方向に帰る子どもがいまる。「今日は、おばあちゃんの家に帰るんだよ。」と言うが、どう対応するか
- 下校指導中、ランドセルをたくさん持った児童Aさんがいた。他の児童は、Aさんに向かって早く来るように促している。どう指導するか
- 放課後にお金のやり取りをしている子どもに対する指導
- 給食室の前で、お皿をばらまいてしまった児童にどのように対応するか
- 給食の時間に机が一つ移動されずに置いてあった。どのように対応するか
- 忘れ物をした生徒への対応
- 休み時間、ドッチボールに行こうとしている児童がいる。その時、「ドッチボールしたくない」と言っている児童がいる。どう対応するか
- 始業前に教室で友達の悪口が板書されている。どう指導するか
選考の基準
試験の選考基準については横浜市のHPで公開されています。
配点や評定の区分、合否の決め方などがわかりますので参考にしてみてください。

横浜市が展開していく教育は
横浜教育ビジョン2030
でまとめられています。受験を考えている方には必読の資料です。